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■オバマ訪中

大連11月18日、朝のTVはひっきりなしに「中米共同声明」のニュースを報道している。私は朝食をとりながらその内容に聞き入っていた。中米両国が世界をリードしていく近未来を今更ながら痛感するが、日本人としては何とも複雑な心境でもある。

しかし一方では、オバマ大統領の中国訪問中、一般の中国人との接触は徹底的に遮断されていた。
上海でおこなわれたタウン・ホール・ミーティングでも、中国の言論統制に徹底的に阻まれたようで、出席した学生も共産党による事前チェックを受けた画一的、その意味での優秀な学生だったはずだ。
結局、彼のメッセージ、生の声は残念ながら中国の人々に伝わることはなかったようだ。

18日の八達嶺長城を訪問した際には、中国当局は観光客を一切締め出し、周囲はさながら戒厳令が布かれた様な雰囲気だった。そんな長城に一人佇むオバマ大統領の姿に近未来の中米関係を象徴しているように感じたと言えば言い過ぎだろうか・・・
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■オバマ訪中_e0094583_454018.gif奥巴马直面“强大的中国”
~強大化した中国に直面するオバマ大統領~

“奥巴马面对的是毫无顾忌地对美国说「不」的中国”(纽约时报)。
“如果说此次访华有什么重要变化,那就是美国的态度。和以往不同的是,美国要安抚对方,有时甚至还要阿谀奉承。”(《华盛顿邮报》)

“オバマ大統領が懸念していたのは、米国に遠慮なく「ノー」と言える中国だ”(ニューヨーク・タイムズ)。
“今回の訪中で重要な変化があるとすれば、それは米国の態度だ。以前とは異なり、相手を懐柔し、ときには機嫌を取らなければならない”(ワシントン・ポスト)。

对于18日离开北京的美国总统奥巴马的首次中国之旅,美国媒体的总体评价可以概括为一条。即,和前任不同,面对中国不同于以往的地位美国不得不降低姿态。1998年访问中国的前美国总统克林顿在同前中国国家主席江泽民举行共同记者会时,曾抨击了10年前的天安门事件。美国前总统布什2002年在面向中国全境转播的清华大学演讲中强调了自由、法治和信仰等美国的价值。每逢这时,中国总会送出释放异议人士、在贸易纠纷中做出部分让步等“礼物”。
18日に中国を離れたオバマ大統領の初訪中に対する米主要紙の論評は一言で要約可能だ。米国の歴代大統領とは異なり、中国の新たな姿に頭を下げざるを得なかったという点だ。1998年に訪中したクリントン元大統領は江沢民国家主席との共同記者会見で、10年前の89年に起きた天安門事件を批判した。2002年にブッシュ前大統領は、中国全土に中継された清華大での講演で、自由と法治、信仰など米国の価値を力説した。当時中国は反体制活動家の釈放、貿易紛争での譲歩などの贈り物を米国に差し出した。

但是,此次情况完全不同。奥巴马17日同前任一样在北京人民大会堂同中国国家主席胡锦涛并肩站在记者会现场,但形式完全是中国的形式。在30分钟时间里,两国领导人只是朗读了事先准备好的声明,并在沉默中交换了眼神。他们没有接受提问。
しかし、今回は異なった。オバマ大統領は17日、歴代大統領と同様に北京の人民大会堂で、胡錦濤国家主席と並んで記者会見場に立ったが、形式は徹底的に中国式だった。両首脳は30分間にわたり、あらかじめ準備した声明を読み上げ、黙ったまま目で合図を交わしていた。質問は認められなかった。

两国领导人在包含五项内容的《中美联合声明》中,决定在多个方面进行合作。但《纽约时报》评价说,会谈共进行了六个小时,但核心悬案是否取得重大进展还是未知数。
両首脳は5項目にわたる共同宣言文で、多角的な協力を強調した。しかし、ニューヨーク・タイムズは、6時間にわたる話し合いにもかかわらず、重要な懸案で大きな進展が得られたかどうかははっきりしないと評した。

白宫方面主张,“同迅速崛起的‘经济巨人’交往”这一预期目标已经达成。白宫发言人吉布斯表示:“我们不期待(像摩西过红海奇迹那样)水会分开,所有的一切都改变。”他主张,如果奥巴马像布什那样采取对峙态度,只会带来逆反效果。但是,奥巴马7月前往莫斯科会见俄罗斯在野党政客和传媒人士时,曾公开提及处分反政府企业家的问题。
ホワイトハウスは「台頭する経済の巨人との対話の始まり」という当初の目標は達成したと主張する。ギブス報道官は「(モーゼの奇跡のように)水が割れて、すべてが変わるとは期待していなかった」と述べ、むしろオバマ大統領がブッシュ前大統領のように対決的な姿勢で臨めば、逆効果を生んだはずだと弁護した。しかし、オバマ大統領は今年7月、モスクワを訪問した際、ロシアの野党政治家やメディア関係者と会い、反政府運動家に対する処罰を公に問題視している。

《华盛顿邮报》17日在题为《欢迎中国?》的社论中指出:“中国要想成为美国真正的合作伙伴,就必须拥抱民主价值,而奥巴马的发言基调中缺少这种想法。”该社论还严厉指责称:“中国拥护独裁,而对中国在全球扩大影响力的趋势使用‘欢迎’一词是错误的。”
17日付ワシントン・ポストは「ウェルカム中国?」と題した社説で、「オバマ大統領の発言基調には、中国が米国の真のパートナーになるためには、民主的価値を包容すべきという考えが抜け落ちていた。世界各地で独裁を擁護する中国が国際的影響力を拡大することに対し、『歓迎』という表現を使うのは誤りだ」と酷評した。

发生变化的美国领导人访华如实反映了过去10年里发生戏剧性变化的两国力量关系。1998年,克林顿作为冷战的胜者,同时也是世界唯一超强大国的领导人前往中国。当时,美国同墨西哥之间的贸易额多达中国的几倍,而且中国持有的美国国债也没有西班牙多。
様変わりした米大統領の訪中は、過去10年間で劇的に変化した両国の力関係をそのまま反映している。98年のクリントン元大統領は冷戦の勝者、世界唯一の超大国の指導者として中国を訪れた。当時の米国はメキシコとの貿易量が中国の2倍に達し、米国債も中国よりスペインのほうが多く保有していた。

但是现在,包括8000亿美元左右的美国联邦债券在内,美国已欠中国1万亿美元以上。与此同时,美国还饱受经济低迷和伊拉克、阿富汗两线战争的困扰。
しかし、現在米国は約8000億ドルの米国債を含め、1兆ドル以上を中国から借りている。また、経済の低迷とイラク・アフガニスタン戦争に苦しんでいる。

相反,中国则在全球危机中继续保持高速增长趋势。中国在克服美国金融界引发的此次金融危机的过程中,对本国的领导力产生更大的自信。因此,奥巴马只能在没有办法对中国发挥影响力的情况下参加会谈。上海国际问题研究院研究员薛晨接受美联社采访时表示:“美国希望中国做的事情有很多,但给予中国的却微乎其微。”以目前这种力量关系为基础,中国将会逐渐、有效地贯彻自己的意志。
一方、中国は世界的危機の中でも成長街道まっしぐらだ。中国は米金融界が起こした金融危機を経て、自国の権威主義的リーダーシップにさらに自信を強めた。結局オバマ大統領は、中国に影響力を行使する手段を持たない状況で会談に臨まざるを得なかった。上海国際問題研究院の薛晨研究員はAP通信に対し、「米国は中国に望むことが多いが、中国に与えられるものはほとんどない」と指摘した。そうした力関係を土台にして、中国は自国の意思を効果的に貫徹できるようになってきている。

奥巴马在刚刚踏上亚洲巡访之旅的时候就曾表示,此次巡访的首要目的是恢复美国失去的国际地位,努力降低人们的期望。但如果没有取得具体成果就回国,可能会在国内付出沉重代价。回国后,奥巴马必须继续同医改、向阿富汗增兵等十分棘手的国内悬案展开拉锯战。他回国的步伐预计不会很轻快。
オバマ大統領はアジア歴訪に出発する際にも、失墜した米国の国際的地位の回復が優先だとし、期待を最小化するよう努めた。しかし、具体的な成果なしで帰国すれば、米国内で厳しい壁に直面する可能性がある。帰国後には健康保険改革、アフガニスタン兵力増派問題などの懸案に取り組まなければならない。オバマ大統領の帰途は足取りが決して軽くないはずだ。

■オバマ訪中_e0094583_5525866.gif11月15至18日,美国总统奥巴马对中国进行了为期4天的国事访问,双方发表了长达6千多字的中美联合声明,凝聚了中美两国在相互关系定位、战略互信、经济合作、地区及全球挑战、气候能源等五大领域的共识和成果。
就其贯穿始终的内在精神和基本立意而言,中美两国的“战略互保”(mutual strategic reassurance)无疑是一个明确的指向,这在一定程度上回应了美国副国务卿詹姆斯•斯坦伯格不久前提出的“战略保证” 说(strategic reassurance),并对其中的片面要求进行了修正。

“战略互保”的第一要义是双方相互之间要有一个相对清晰的战略定位,即必须界定双方的关系是敌是友(enemy or friend),非敌非友(neither enemy nor friend),亦敌亦友(Frenemy),或者是偏于中性的竞争者或合作者(contender or partner)。

奥巴马出任总统后,通过国务卿希拉里访华,将两国关系定位于“二十一世纪积极、合作、全面的中美关系”。这种定位虽然具体、细致,但却不是美国进行战略定位的通用语言,在其朋友、同盟、伙伴、对手、敌人等战略定位的常见序列中没有明确的对应位置,致使美国国内关于中国敌友身份的争论并无休止,中国国内对美国到底如何看待自己,也心存疑惑。

这次联合声明对此加以澄清,双方不仅“重申致力于建设二十一世纪积极合作全面的中美关系”,还表示将“采取切实行动稳步建立应对共同挑战的伙伴关系”。“应对共同挑战的伙伴关系”这一清晰定位在序列上虽然明显低于朋友和同盟,但至少也表明,双方在战略上无意把对方视为你死我活的敌人。

“战略互保”的核心内涵是相互尊重彼此的核心利益与关切。按照斯坦伯格的解释,“战略保证”的含义是指一方面美国及其盟友必须明确表示欢迎中国作为一个繁荣昌盛的大国的到来,另一方面中国也必须向全世界保证,中国的发展及其日益增长的全球性作用将不以其它国家的安全和福祉为代价。其本质是美国表示愿意正面接纳中国的崛起,但中国必须保证其崛起是和平性质的,并不以损害美国及其盟国的利益为前提。

在联合声明中,这一层次的“战略保证”有明确的阐述:“中方表示,中国始终不渝走和平发展道路,始终不渝奉行互利共赢的开放战略,致力于推动建立持久和平、共同繁荣的和谐世界。美方重申,美方欢迎一个强大、繁荣、成功、在国际事务中发挥更大作用的中国”。

不过在“战略保证”概念下,美国及其盟友仅仅以一种接纳中国崛起的姿态便可以换取来自中国和平崛起及不损害他国利益两项保证,显然有失公允。联合声明在主权与领土完整问题上对此加以补充,明确强调了“相互尊重彼此核心利益”的重大意义,也就是说,如果中国保证和平崛起,那么美国不能仅仅表示接纳中国的崛起,最重要的是要保证不做损害中国核心利益的事。这也是以“战略互保”替代“战略保证”根本意义所在。

在核心关切问题上,中美“战略互保”意向同样得到了具体的体现。比如在台湾问题上,美方不仅表示奉行一个中国政策,遵守中美三个联合公报的原则,还表示欢迎台湾海峡两岸关系和平发展,期待两岸加强经济、政治及其他领域的对话与互动,建立更加积极、稳定的关系。而对于美国关于亚洲区域主义的关切,中国也明确做出回应,表示欢迎美国作为一个亚太国家为本地区和平、稳定与繁荣作出努力,支持构建和完善开放、包容、共赢的地区合作框架。

“战略互保”的基础是战略互信。战略互信的培育和建立必须从具体的交往与合作起步,不断拓展双方的共同利益面。就政治交往而言,两国领导人在联合声明中表示将继续通过互访、会晤、通话、书信等方式保持密切沟通,双方高度评价中美战略与经济对话机制的重要作用,突出的亮点是将两国外长年度互访机制化。

就军事交往而言,双方表示将共同做好2010年中国人民解放军总参谋长陈炳德上将访美和美国国防部长罗伯特•盖茨、美军参谋长联席会议主席迈克尔•马伦上将访华有关准备工作,从力度上提高两军交往的级别和频率。在科技交流方面,双方将在载人航天飞行和航天探索方面开启对话,并于2010年实现美国国家航空航天局局长和中方相应官员的互访。

就人文交流而言,双方原则同意建立一个新的双边机制,美方将为中国留学人员赴美提供签证便利,同时启动一个鼓励更多美国人来华留学的新倡议。这足以显示,双方都着眼于长远,有意夯实中美战略互信的政治和社会基础。

“战略互保”要求双方遵循明确的约束机制。在有共识的领域,要积极拓展合作。在有分歧的领域,要积极开展相互克制的对话,必须保证局部的分歧不能干扰和破坏合作的大局。在有矛盾和摩擦的领域,要靠规则或机制说话,防止某一领域的矛盾无限扩大。比如在人权问题上,双方表示将本着平等和相互尊重的精神处理有关分歧,并于2010年启动下一轮人权对话。

在贸易摩擦和保护主义问题上,双方重申致力于共同反对各种形式的保护主义,同意本着建设性、合作性和互利性的态度,积极解决双边贸易和投资争端。此外,双方还就促进更加可持续和平衡的贸易与增长达成原则性共识。

淡化分歧,努力维护合作的大局,似乎已经成为中美两国的战略默契。