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■大雜燴/ごった煮

ここ数年、私はマレーシアとはご無沙汰だ。
それまでは年に一度は訪れていた。
訪問先はKRではなく、Penang。
マレーシアの中でも華人が特に多いまち。

マレーシアの言語環境について興味深い文章を見つけたのでメモっておく。
■大雜燴/ごった煮_e0094583_20491170.gif語言大雜燴 馬來西亞・張翠芬
言語のごった煮

馬來西亞和新加坡因為歷史和地理環境非常緊密,所說的華語(普通話)沒有太大差異。除了華語,我們也說方言──廣東話、福建話、客家話等,都是日常生活用語。華語將不同籍貫的華人聯繫起來,而馬來語是馬來西亞各族群溝通的橋樑,在新加坡,英語則是第一語言。
マレーシアとシンガポールは、歴史も地理も緊密で、中国語もそれほど違いません。広東語、福建語、客家語などの方言も日常的に使われています。北京語は、出身の異なる華人同士で、マレー語はマレーシアの民族と話す時に使い、シンガポールは英語が第1言語です。

有人說,馬來西亞華人真不賴,隨便在街上挑一個,都能說上三種語言,再加上一、兩種方言。孰不知,俗話說的好,「周身刀,沒有一把是利的。」懂得多,卻不精。
地元の華人の中には、マレーシアの華人は誰でも3種類以上の外国語と1~2種類の方言が話せてすばらしいと言う人もいます。でも、どの言語も中途半端なのです。

本地華人說華語,基本上是不翹舌(捲舌)的。有個朋友是從小受英語教育長大的「香蕉人」,外黃內白,也稱為「二毛子」,被公司派駐上海。在上海,她的洋人老闆指著巨型廣告牌問她,上面寫些什麼,朋友說我看不懂。她的老闆很驚訝,「妳怎麼從來沒說妳不懂中文?!」她回答,「你從來沒問過我啊。」後來公司為她請了中文家教,老師是北京人,說得一口京片子,舌頭要捲起還要碰到上顎,朋友說,一小時的課下來,最累的是舌頭!
こちらの中国語は、基本的に巻舌音を出しません。幼い頃から英語で育ち黄色人種でありながら思想的には西洋的なある友人が、会社から上海に派遣されました。上海の街中で、彼女の外国人の上司が大きな看板を指し、意味を聞きましたが、彼女はわかりませんでした。社長は驚き、なぜ今まで中国語が出来ないと言わなかったのかと尋ねると、彼女は聞かれなかったからと答えたそうです。その後会社では中国語の家庭教師を雇い、彼女に中国語を習わせました。先生は巻舌音の強い北京の人だったので、友人は1時間の授業で舌が一番疲れたそうです。

如果要根據華語掌握程度的高下來劃分本地華人,大概可以分成幾類:首先是不懂得或是只懂一點華語,只能以方言溝通,這一類大多是上了年紀的人;另一類是大致懂得中文書寫與會話的,多半受過華語教育;最後是完全不懂得讀、寫,就連會話也成問題的華人。
中国語のレベルで分けると、まず北京語はできず方言しかできない人がいます。これは年配の人です。次は北京語の読み書き、会話がだいたいできる人で、多くは中国語で教育を受けた人です。最後は、完全に中国語ができない人です。

馬來西亞是多元化社會,主要的三 大族群是馬來人(土著)、華人和印 度人。因此,在馬來西亞教育體制下,小學可被分成三種源流:國民小學(簡稱「國小」)、華文小學(簡稱「華小」),和淡米爾小學(簡稱「淡小」)。「國小」是以馬來語為主要教學媒介語,另有「華小」的華語和「淡小」的淡米爾語。至於「宏願學校」,則是把三種源流小學加以綜合統整的教育概念。
マレーシアは人種の多様な社会で、マレー人、華人、インド人の3民族が主です。このため小学校も言語によって3種類あります。国民小学校はマレー語が主な言語で、中華小学校は中国語、タミール小学校はタミール語で教えます。また3つを総合させた「宏願学校」もあります。

小學畢業後,大多數華人學生會升上國中,國中以馬來語和英語教學為主,華文只是單一語文科目。當然,選擇進入獨立(私立)中學則另當別論,這是由華社籌款資助的中學。隨著一九九○年代「南方學院」和「新紀元學院」的設立,華社在由小學到大專、貫徹華文教育的理想上又更跨出了一步。
小学校卒業後、多くの華人生徒は中学校に進学します。中学はマレー語と英語が中心で、中国語は1外国語科目となります。もちろん中国語の私立中学もあり、中華社の寄付で運営しています。1990年代には「南方学院」と「新紀元学院」が創設され、小学校から大学・短大まで一貫した中国語教育の理想にまた大きく一歩近づきました。

話說回來,一般民眾可以自由選擇就讀什麼源流的小學。有的華人選擇講馬來文的「國小」,因而錯失從小接受華文教育的機會。有的「友族」(就是非華裔)卻選擇就讀華小。
一般的にはどの小学校に入るかは自由選択です。マレー語の小学校を選び、中国語教育を受けない華人もいるし、非中華系の人でも中華系の学校を選ぶ人もいます。

今年就讀六年班(小學六年級)的詹都拉,是馬來人,卻不就近唸社區裡的國小,而寧願每天舟車勞頓來到八公里外的華小就讀。他表示是為了多學習一種語言而就讀華小。問他學華語難不難?他說:「很難!」他的華語雖有些蹩腳,但還是能溝通。
今年6年生のジャン・ドゥーラ君はマレー人ですが、近所の小学校ではなく、毎日遠く離れた中華小学校に通っています。彼は言語を学ぶためにこの学校にしたそうです。中国語は難しくないかと聞くと「難しい」と答えました。たどたどしいけれど、意思疎通はできます。

再問他,功課不會做怎麼辦?
「問哥哥、姐姐。」詹都拉的八個兄弟姊妹都念華小,但父母卻不懂華語。

宿題はと聞くと、兄弟に聞くと答えました。彼の8人の兄弟は皆、中華小学校で勉強したのです。でも両親は中国語ができません。

至於像我這樣,華小畢業後升上國中的人很多,我們受的不是完整的華文教育,按本地說法是「半桶水」,揉合了本土語言和方言等各種影響,形成獨特的馬來西亞華語。有好些詞彙和用法可能不符合現代華語的規則,然而,這就是馬來西亞華語。
私のように小学校卒業後、マレー語の中学校に進学した華人も少なくありません。学校で受けたのは完全な中国語教育ではなく、地元の言葉や方言などの影響を受けた独特なマレーシア風の中国語でした。単語や文法の中には現代中国語に合っていないものありますが、それがマレーシア・マンダリンなのです。

聽說有位中國遊客在馬來西亞旅遊時,來到一家雜貨商店,想要買食物充飢。
「老闆,有賣包子嗎?」
「有啊。」於是老闆就拿了份當日的報章出來。
「我要的是『包子』。」
「這就是『報紙』。」
雞同鴨講地說了一輪,搞清楚後,老闆埋怨,「噢!要買包是嗎?講什麼包子,要講『包』!」

中国の観光客がマレーシア旅行中、食べ物を買おうとしました。
「包子(パオズ、肉まんの類)はありますか」と聞くと、店の主人は「ありますよ」と、報紙(パオジ、新聞)を出したのです。
「パオズがほしいのですが」
「これがパオジですよ」
珍妙なやりとりの後、やっとお互い意味がわかると、主人は「包(パオ)だね。パオズじゃわからないよ」と文句を言ったそうです。

馬來西亞可分為東馬及西馬。不同的地方,流行的華語方言也不一樣。在中馬如吉隆坡、怡保和芙蓉地區,大多數華人說廣東話。在檳城一帶,只要懂得福建話就能通行無阻。
マレーシアの東部と西部では使われる中国語方言も違います。クアラルンプール、イポー、セレンバンなど中部では広東語が、ペナン一帯では福建語が使われています。

在南馬,特別是柔佛巴魯,由於受新加坡電視節目的影響,所以說華語的人比較多。馬來西亞中文電視以廣東話和華語為主,新加坡政府推廣講華語運動已多年,電視和電影都以華語和英語為主,不鼓勵說方言。所以在新加坡看香港出產的電影最不過癮,因為對白都改成華語配音,少了廣東話那份傳神的感覺。
南部、特にジョホールバールではシンガポールのテレビの影響で、北京語が多く使われます。マレーシアの中国語放送は広東語と北京語がメインですが、シンガポール政府は長年北京語を推進しており、テレビと映画は北京語と英語が中心です。このためシンガポールで香港映画を見ても、セリフは北京語の吹き替えなので、広東語の独特の雰囲気がなく面白みに欠けます。

也因為方言的廣泛使用,使它的影響根深柢固,成為馬來西亞華語的一部分。例如喝飲料用的「吸水管」(吸管)本地的說法是「水草」,外地讀者大概敲破腦袋也不能把這兩件風馬牛不相及的東西聯想起來吧。
マレーシアでは方言が中国語の一部となってきました。例えば「吸水管(ストロー)」は「水草」と言います。海外の読者には連想すらできないでしょう。

有人說,馬來西亞華語是「大雜燴式」華語。這點是無可否認,水準也比不上台灣或中國大陸的正統華語。我們說這是ROJAK(雜燴)式的華語,把多種語言與方言攙雜在一起。ROJAK 是馬來美食,把各種材料放在一起,淋上香濃的花生醬汁,非常美味可口。
マレーシアの中国語はごちゃまぜだという人もいます。これは否定できませんし、レベルも台湾や大陸の正統な中国語にはかないません。私たちはこれを多くの言語や方言が混じったROJAK(ごった煮)式中国語と呼んでいます。ROJAKは、多くの材料を入れてピーナツソースをかけたおいしいマレーシア料理です。

當年,華人的祖先從中國不同的地區來到南洋討生活,他們的夢想是賺了錢就衣錦還鄉。他們原本只是過客,沒打算久留。福建人、客家人、海南人、福州人、廣東人等,把語言、文化和傳統都帶來了,聚集在這裡。這就像把不同花色的魚兒放在同一池裡,自然會交互影響,繁衍出與原來不同的種類。
昔、故郷に錦を飾ることを夢見て、華人の祖先は中国各地から海を越えここにたどり着きました。最初は長く留まるつもりはなかったのです。福建、客家、海南、広東など、各種の言語、文化、伝統が持ち込まれました。それは色や模様の違う魚が池に放たれ、影響しあって異なる品種が生まれるようなものです。

有些外來語言的影響,已經約定俗成,被正式採納,例如「跳飛機」,就是出國淘金;「幾多錢」、「幾多歲」,就是多少錢、多少歲的意思。當然也別忘了,我們慣用的「有+動詞」,例如「有做嗎?」、「有吃嗎?」雖然不合文法,但我們習以為常,所以也不覺得是錯誤。反正說者與聽者都互相明白,能達到溝通目的就行了。
外来語の影響の中には定着したものもあります。「跳飛機」は海外で働くこと、「幾多銭」は「いくら」、「幾多歳」は「何歳」という意味です。「有做嗎」「有吃嗎」など「有+動詞」の言い方も使います。これは文法的にはおかしいですが、もう慣れてしまいました。お互いに理解できればいいのです。

土著文化和語言也滲入華語的使用。有些馬來語的詞彙已成為華語口頭語的一部分,例如SAMAN就是「告票」(取締單,告發單)。我們說「中SAMAN」,就知道是被發告票了。此外如「羅厘」(lori,貨車)、「拿督」(貴族頭銜)、「娘惹」(Baba Nyonya,一類菜餚的通稱,出自馬來人和土生華人通婚的後代之手,綜合了甜、酸、香、辛辣等多種風味)等字眼,都是馬來西亞華語的一部分。
マレーシア本来の文化と言語も中国語に入っています。「SAMAN(交通違反切符)」などマレー語の一部はすでに話し言葉になっており「SAMANに当たった」とは切符を切られたという意味です。他に「羅厘(トラック)」「拿督(貴族の肩書き)」「娘惹(ババ・ニョニャ、マレー系と中華系の間に生まれた人々の料理)などもあります。

馬來西亞華語在書寫方面,是採用中國大陸的方式,使用簡體字及漢語拼音。學校教學一律是簡體字,所以年輕一代的馬來西亞華人大多只能寫簡體字,但或多或少都能看懂繁體字。老一輩的則以繁體字為主。
書き言葉は、中国大陸式の漢字、つまり簡体字で発音はローマ字表記します。学校では簡体字なので、若い華人の多くは簡体字しか書けませんが、繁体字もある程度は読めます。年配の人は繁体字です。

馬來西亞華語在各種外來因素的影響下,形成獨一無二的「新馬華語」,可以美其名為特色,也可以說是「語言污染」,反正就是這樣子。統一或協調海內外華語這樣的重責大任,應該不會落在像我這樣的市井小民頭上,反正我又不是特別PANDAI(聰明)。
マレーシアの中国語はさまざまな影響を受け、独特な新中国語を作り出してきました。それはすばらしい特色でもあり、言語の汚染とも言えます。でも海外と国内の中国語を統一するようなことは、私のような小市民にはできるものではありません。特にPANDAI(賢い)というわけでもありませんしね。
by officemei | 2010-02-10 01:44 | ■星馬