■梧州の街並み
台湾の古い町並みは大方“亭子脚”と呼ばれる独特の建築様式で、街路に面する一階部分を通路に供し、雨も暑さもここを通れば共に避けられるようになっている。
この建築様式は、台湾独特のものではない。シンガポールやペナン、海口、香港、広州、アモイ、武漢、上海、そして梧州で見たことがある。
東南アジアや南中国の貿易や物品の集散地として栄えたまちにはかつてこの建築様式があった。
とにかく南国の暑い陽射しをカットしてくれる素晴らしいもので、その建築美には惚れ惚れするばかりで、見ていて飽きない。
先に“亭子脚”と書いたが、これは閩南语で主に台湾とアモイ周辺で使われる方言。一般的には「騎楼」と呼ばれる。
18世紀後半にイギリス人がインド南部で考案した「外廊式建築」が,その後のイギリス植民地の版図拡大につれ、高温多湿なアジア地域に普及することとなった。
中国にはアヘン戦争後に香港、広州、アモイ、広西などに及び、南京条約の結果、上海が開港されて以降、大挙広東商人が上海に押し寄せ、騎楼も上海に伝わった。今でも南京路周辺や金陵東路に残っている。
とりわけ広西壮族自治区にある“梧州”のまちは「中国騎楼博物城」と称されるほどに「騎楼建築」が残っており、現存するもの560、その規模の大きさと数の多さで中国一の称号を与えられている。
騎樓,稱「亭仔腳」,是具有浓厚的中國南方特色的建筑設計,在華南及台灣等地均十分常見。
建築物一樓臨近街道的部分建成行人走廊,走廊上方則為二樓的樓層,猶如二樓「騎」在一樓之上,故稱為「騎樓」。现时的骑楼一般一楼用于经商,二楼以上住人。騎樓既可防雨防晒,又便于展示橱窗,招徕生意。
福建アモイの街並み;(このまちのかつての中心地である思明路も騎楼・亭子脚様式だ)
海南島・海口の街並み;(ここにも騎楼)