■蝸居(せまくるしい家)

e0094583_14135650.jpg“蝸居”と言う流行語は「蝸牛(かたつむり)の住まい」、つまり「せまくるしい家」を意味する。
2007年12月出版の小説「蝸居」がこの流行語の原点だ。
原作者はペンネーム「六六」という女流作家で、安徽大学国際貿易部卒業後、国際貿易に携わりシンガポールへ移住した。彼女の作品「双面膠」も読んだことがあるが、その社会派としての鋭い指摘には感心させられる。
余談ながら彼女の本名は張辛と言って、上海の友人Amiの一人娘と同姓同名だ。

さて、中国都市部では不動産価格の高騰によって住宅購入が一般市民の最も現実的且つ深刻な問題となっている。
この作品はそういった背景をシリアスに描いていて私は義憤さえ感じた。あまりの不条理に本を投げつけたこともある。

統計によると、住宅購入者の約90%がローンを組み、内35%の購入者の返済額が収入の60%を占めるそうだ。このような層を「房奴」(住宅ローン地獄に陥った人たち)と言う。


e0094583_1416107.jpgこの原作を基にTVドラマ“蝸居”が昨年(2009年)放映され、主人公と同じようにローンに苦しむ一般市民の共感を得たが、突然放送中止になった。
ドラマの内容には、姉の住宅購入を手助けするため妹が汚職官僚と性的関係を持つ場面もあった。
「人の情けは身体で返す」とか「愛情はみんなインチキ」といった過激な台詞やシーンが多いこともさることながら、実は上海で実際にあった市当局と不動産業者の贈収賄事件に酷似しており、それをあまりにもリアルにドラマ化したことで当局から放送禁止処分を受けた、というのが真相かもしれない。

ドラマの舞台は大都市“江洲”(このまちは架空で、実際は上海)。
上海の超一流大学復旦大学を卒業した主人公(女性)は、故郷に帰らず江洲に残って働くことを決意。
頭金を貯めてマンションを購入することを夢見て恋人と狭い部屋で同棲し、やがて結婚。
それでも頭金を貯めるまでは我慢し数年が過ぎていくが、出産によりとうとう自分たちの家探しを始める。
ところが不動産の高騰に二人の収入が追いつかず、夫婦間に喧嘩が絶えなくなる。

一方、主人公の妹は不動産開発会社に勤めていて、ボーイフレンドと同棲していたが、姉の新居購入の頭金不足分を工面してやろうとする。
勤務先の会社と癒着している市政府の要人から借金をするが、愛人にされ妊娠。

ざっとしたストーリーはこのような展開だが、その中に強制立退きの現実、官民癒着、贈収賄、不倫、不動産バブルなどなどの中国の社会問題が客観的に描かれていた。

ドラマの随所に上海の風景が出てくる;


ドラマが描く現在の中国社会現象を分析;


电视剧「蜗居」直面当下社会热点问题,贴近生活,反映了房价飙升的背景下,普通人在都市生活中历经的种种波折,引起了很多人的共鸣。
该剧在2009年7月上海电视台播出后,仅用四天便创下收视历史新高。
由于本剧涉及的房奴、第三者等社会敏感内容,且有美化“小三”之嫌,故在网上引起很大争议。
又因台词露骨,含有大量性暗示而被评为“史上最淫荡的电视剧”。

放送中止となった内容の一部とされるシーン;


このドラマはこちらから鑑賞できます;
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by officemei | 2010-03-09 00:12 | ■上海