■中国の新幹線外交
中国の対外関係を紹介する中国紙の記事で、頻繁に登場する最近のキーワードは「高鉄(新幹線)外交」だ。
東南アジアや中央アジアなど隣接国に対し、中国の高速鉄道を売り込むことが、首脳会談などにおける主要テーマの一つになりつつあるからだ。
中国が自国を起点とする「一大新幹線網」の構築に躍起になる背景には、石炭や鉄鉱石など資源の流入を促し、周辺国への影響力を拡大する狙いがあるとみられる。
香港紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストなどによると、中国政府は現在、ベトナム、ミャンマー、インドなど周辺17カ国と新幹線網の構築に関する交渉を進めているという。
すでに複数の国との間で基本合意に達し、技術面など具体的な調整に入った。資金力のないミャンマーなど一部の国には、技術だけではなく資金面でも支援するが、中国が軌道幅など中国規格への統一を求めるのに対し、難色を示す国もあるという。
17カ国のなかには、中国と国境を接しないイランなども含まれる。
計画が具体化すれば、パキスタンかアフガニスタンを経由して新幹線網を結ぶことになるが、中東の産油国に到達することこそが新幹線網を輸出する中国の最大の目的ともいわれる。
鉄道問題専門家として知られる北京交通大学の王夢恕教授は、中国メディアに対し、中国政府が展開する新幹線外交の意義について、「中国は発展維持のための資源を手に入れ、外国は中国と貿易ができる」と双方にメリットがあることを強調した。
新幹線網が完成すれば、中国は経済に限らず、周辺国に対する政治的、軍事的な影響力も高まるとの指摘もある。
一方、中国と海を隔てた韓国も、中国山東省の間に海底トンネルを建設し、新幹線網に加わりたいとの意向を示しているという。
これに対して中国が消極的なのは、資源が少なく、市場的にも限界がある韓国に対し、高いコストをかけたくないというのが本音だからだろう。
ただ、中国の新幹線技術は、そのほとんどが1990年代以降、川崎重工などの日本企業や、ドイツ、フランスなどから提供を受けたものだ。
これを基礎に一部改良を加えて「自主開発」とし、外国に輸出しようとする中国に対し、フランス企業などから非難の声もあがっている。
韓国朝鮮日報より;
世界最高速度(時速350キロ)の高速鉄道を相次いで開通させている中国は、余勢を駆って、欧州につながるユーラシア横断鉄道2路線と、南部の昆明からシンガポールに至る東南アジア縦断高速鉄道網の建設計画を推進している。また、米国、ブラジル、アジア各国の高速鉄道をめぐる受注競争にも参入し、高速鉄道市場の新たなダークホースとして浮上している。
中国计划建设连接欧洲的2条欧亚高铁和昆明到新加坡的东南亚高铁。中国刚刚开通世界上速度最快(时速350公里)的高速铁路。另外,中国还参与美国和巴西以及亚洲的高铁建设项目招标,成为世界高铁市场的新的黑马。
王夢恕・北京交通大教授(中国工程院院士)は7日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストに対し、「中国は現在、国内に建設中の高速鉄道で外部のロシア、中央アジア、東南アジアの17カ国を結ぶ3路線の建設構想を推進している」と語った。王教授は、中国が推進するすべての高速鉄道建設プロジェクトに参加している権威だ。
北京交通大学教授、中国工程院院士王梦恕3月7日向香港《南华早报》表示:“中国计划将在国内建设的高铁网延伸到俄罗斯、中亚以及东亚17个国家。中国已经有3项高铁计划提交给这些国家。”王梦恕参加了中国所有高铁建设项目,是一位中国高铁领域权威人物。
王教授は「中国は中央アジア方面、ロシアの大陸横断鉄道、東南アジア縦断鉄道という高速鉄道網3本の建設計画を定め、2025年の完成を目指し、関係国との『高速鉄道外交』を繰り広げている。既にロシアをはじめ、一部の国とは交渉が妥結した」と述べた。
王梦恕说:“中国制定了中亚和俄罗斯大陆横断铁路、东南亚铁路等3条高铁网建设计划,正在与相关国家进行谈判,以在2025年内完工。中国已经和俄罗斯等部分国家达成了妥协。”
同計画によると、中央アジア路線は新疆ウイグル自治区のウルムチからカザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イラン、トルコを経てドイツに至る。また、東南アジア路線は中国南部の雲南省昆明市からベトナム、カンボジア、タイ(または昆明からミャンマー経由でタイ)に至り、さらにマレーシア、シンガポールへとつながる。ロシア横断高速鉄道は中国北部の黒竜江省からロシア横断鉄道で欧州に至るというものだ。
据该计划,中亚线路将从新疆维吾尔自治区乌鲁木齐出发,经由哈萨克斯坦、乌兹别克斯坦、土库曼斯坦、伊朗、土耳其等国家,最终到达德国。另外,东南亚线路将从中国南部的昆明出发,依次经由越南、柬埔寨、泰国(或从昆明经过缅甸到泰国)、马来西亚,抵达新加坡。俄罗斯横断高速铁路网则计划从中国北部的黑龙江省出发,通过北部的俄罗斯横断铁路,连接到西欧。
王教授は「中国は関係国に対し、高速鉄道の建設技術、設備、最高時速350キロで走行可能な中国製高速鉄道車両の供与または建設費の一部負担などの条件を提示する代わりに、相手国から天然ガス、リチウムなどの地下資源を確保する交渉を進めている」と語った。中国は最近、湖北省武漢市と広東省広州市を結ぶ高速鉄道(1068キロ)、河南省鄭州市と陝西省西安市を結ぶ高速鉄道(505キロ)を開通させるなど、既に総延長3300キロの高速鉄道を運行している。
王梦恕表示:“中国在谈判中承诺提供高铁技术、设备及最高时速达350公里的中国高速列车,并且承担那些愿意向中国运输天然气或锂等自然资源的国家建设高铁的费用。”中国最近接连开通了武汉至广州的1068公里武广高铁,和郑州至西安的505公里郑西高铁,高铁运行线路总长3300公里。
中国は最近、米国、南米、アジア各国の高速鉄道建設をめぐる受注競争にも参入を試みている。AP通信によると、ブラジルは2016年のリオデジャネイロ五輪に向け、リオデジャネイロ-サンパウロ-カンピーナスを結ぶ総延長510キロの高速鉄道建設を計画しており、中国も受注確保に乗り出した。総工費200億ドル(約1兆8100億円)に達するこの大型事業には、韓国鉄道公社(KORAIL)、現代ロテム、鉄道施設公団など韓国勢をはじめ、日本、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの企業が競合しており、最後に中国が加わった形だ。
近来,中国正与美国、南美和亚洲各国商讨高铁合作事宜。据美联社称,中国参加了巴西为2016年奥运会而正在推进的连接里约热内卢、圣保罗、坎皮纳斯的总长510公里的高铁项目招标。这一工程项目费用高达200亿美元,其规模仅次于400亿美元的阿联酋(UAE)核电站项目。参加竞标的有韩国铁道公司(KORAIL)、现代Rotem、铁路设施公司以及日本、德国、法国、意大利、西班牙的企业,中国也搭上了末班车。
また、米連邦鉄道局(FRA)はカリフォルニア州のサンフランシスコからロサンゼルス経由でサンディエゴに至る総延長1250キロの高速鉄道計画を推進している。ベトナムも、ハノイとホーチミンを結ぶ総延長1630キロの高速鉄道を2020年までに建設する計画だ。このほか、タイ、マレーシア、リビアなども高速鉄道の建設を検討しており、韓国、ドイツ、フランス、日本などにとって、中国は厄介なライバルとなりそうだ。
另外,美国联邦铁路管理局(FRA)计划建设从加利福尼亚的旧金山经由洛杉矶到达圣地亚哥的高速铁路项目,总长1250公里。越南则计划到2020年建设从河内到胡志明的1630公里高速铁路项目。此外,泰国和马来西亚、利比亚等也国家在推进高速铁路建设项目。而中国在高铁领域的迅速崛起,对韩国、德国、法国、日本等构成威胁。