■上海金陵東路界隈
今もその面影は多少残っている。
これはそもそも130年以上も前にフランスがこの界隈を租界とし、アヘン戦争後には広東商人が移住してきてこの地に居住したことによる。
当時の街の名は「法大馬路」といった。(法はフランスの意味)
現在では地下鉄8号線「大世界」駅2番口から金陵東路に出ることになるが、その「大世界」とは旧上海の象徴とさえいわれた東洋一の総合娯楽施設「大世界(ダスカ)」のこと。
劇場・映画・ショッピング・食堂などの施設があって、「大世界(ダスカ)」に行かなければ上海に行ったとは言えないとまでいわれたところだ。
この「大世界(ダスカ)」の界隈には売春宿や賭博場があって、魔都上海の象徴ともなった。
したがって金陵東路界隈にもかつては妖しげな店があっただろうが、現在では楽器店が集中する街になっていて、名門上海音楽学院の楽器御用達の店も多い。
一歩通りを中に入ると昔ながらの家並みがあって、都心のど真ん中に暮らす生粋の上海人の暮らしぶりが垣間見える。