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■ 三面受敵

Dec 20. 2011
残念ながら、金正日死亡のニュースで中国漁船船長による韓国海洋警察官殺害事件も報道されなくなりましたね。

2011年がまもなく過ぎようとしています。
特に見逃せないのは金正日の葬儀に中国が北朝鮮にどう関わっていくのか、ですね。
長男金正男という有効なカードをどのように使っていくのか、見応えある展開です。

さて、今年の中国内政はインフレと不動産価格急落が顕著でした。インフレを抑制するため金融引き締めを行ない企業倒産が増加、不動産市場も冷え込みました。
中国の経済成長もここに来て減速の兆しが現れたということでしょうね。
今後、バブル崩壊に進むのかどうかのターニングポイントでしょうね。

外交面では11月の東アジアサミットでアメリカの強力な攻勢によって一歩も二歩も後退を余儀なくされました

アメリカ主導のもと、南シナ海領有権問題で参加国諸国の牽制を招き、中国は孤立させられた感があります。
その後、アメリカはオーストラリア北部に海兵隊の駐留を決め、ミャンマーとの関係改善を行なっています。
まさに中国包囲網の形成です。

■ 三面受敵_e0094583_23171274.gif香港《南华早报》(SCMP)15日指出,目前中国外交“三面受敌”。在韩国西海进行非法捕捞的中国渔船船员刺杀韩国海警,引发与韩国的外交矛盾,而且中国向东海派遣3000吨级海洋监察船,也会引起日本抗议。
15日付香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、中国外交の苦境をこう表現した。西海(黄海)で違法操業中だった中国漁船の船長が韓国の海洋警察官を刺殺した事件をめぐり、韓国と外交的に対立しているほか、東シナ海には3000トン級の大型巡視船を派遣し、日本の反発も懸念されている。

另外,《南华早报》还报道说,中国国家总理温家宝原本计划下周出席湄公河峰会,并顺便访问缅甸和尼泊尔等国,但该日程突然被取消。这两个国家都是中国的传统友好国家。《南华早报》援引印度媒体报道说,中方对尼泊尔未经协商就公开温家宝访问日程表示不满并取消了所有日程。
一方、同紙によると、メコン川サミットに出席するため、ミャンマー、ネパールなどを訪問する予定だった中国の温家宝首相が、訪問を急きょ取りやめた。両国は伝統的に中国と友好的な国だ。インドのメディアは「温首相の訪問日程を無断で公表したネパールに不快感を示し、日程を全てキャンセルした」と報じた。

中国今年和周边国家外交矛盾不断。和菲律宾、越南围绕南海主权和资源开发等发生纷争,甚至有暴发武力冲突的危险。菲律宾为加强南海巡逻,从美国引进汉密尔顿级快艇,本月14日举行了下水仪式。越南则正联手印度和日本等,牵制中国南下。中国和印度正在洲际弹道导弹和航空母舰等战略武器领域展开激烈的军备竞赛。而且和日本则因为钓鱼岛(日本名为“尖阁列岛”)主权纷争依旧矛盾重重。
中国は今年、周辺各国と相次ぎ外交摩擦を起こし、孤立を深めている。フィリピン、ベトナムとは南シナ海の領有権と資源開発をめぐり、武力衝突が懸念されるほどの緊張関係が続いている。フィリピンは14日、南シナ海での海軍パトロールを強化するため、米国から導入したハミルトン級高速艇の進水式を行った。また、ベトナムはインド、日本などと連携し、中国の南下をけん制しているほか、インドとは大陸間弾道ミサイル、空母など戦略兵器分野で激しい軍備拡張競争を展開している。さらに、日本とは尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権をめぐり対立を深めている。

缅甸一直依仗中国的庇护躲避国际社会的制裁,但是去年9月叫停了与中国共建的预算高达36亿美元的密松水坝工程。新上台的民间政府本月初邀请美国国务卿希拉里访问,开始和中国保持一定距离。
国際社会の制裁を避け、中国に依存してきたミャンマーも今年9月、中国と共同で建設していた事業費36億ドル(約2800億円)規模のミトソネダムの工事を中止した。民政移管されたミャンマー政府は、今月初めにクリントン米国務長官を招待し、中国とは一定の距離を置き始めた。

中国政府的智囊团——社会科学院亚太研究所最近公布的中国周边安全形势报告把这些情况总结为“北缓南紧”四个字。就是说,虽然去年困扰中国的南北韩僵局多少有所缓解,但与南部周边国家的关系又陷入紧张。
中国政府のシンクタンク、中国社会科学院アジア太平洋研究所は、最近発表した中国周辺の安保情勢報告書で、こうした状況を「北緩南緊」と表現した。昨年中国を困惑させた韓国と北朝鮮の対立はやや落ち着いたものの、中国の南側にある周辺国との関係が緊張状態にあることを指している。

韩国与中国基本还算风平浪静,此时却偏偏发生了西海非法捕捞和刺杀海警事件。据悉,这令中国外交当局倍感压力。北京外交界分析说,中国外交部因此才数次强调“这是一起个案,相信在中韩双方的共同努力下,事件不会影响两国关系大局。”
こうした状況下で、特に中国とは大きな外交問題がなかった韓国とも、西海での海洋警察官刺殺事件をきっかけに対立が生じ、中国外交当局は負担を感じているとみられる。北京駐在の外交筋は、中国外務省が「今回の事件が中韓関係の大きな流れに影響を与えることはない」と繰り返し強調するのも、そうした背景があるためと受け止めている。
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新年好
■ 三面受敵_e0094583_927364.gif Jan 01,2012
南シナ海やインド洋などで急速に台頭する中国の軍事力に対抗して、米国が戦略的な「アジア回帰」にかじを切った。中国との領有権問題やシーレーン(海上交通路)をめぐる覇権争いを抱える周辺国にも「軍拡」の動きは鮮明だ。北朝鮮の最高指導者、金正日総書記の死去で不安定要因が加わったアジア太平洋を舞台に2012年、同盟国を巻き込んだ米中両国のせめぎ合いはどうなるのか。
中国の基本戦略は小笠原諸島から米軍の拠点・グアム、インドネシアを結ぶ「第二列島線」に勢力範囲を及ぼすことにある。軍事利用を視野にインド洋で港湾施設を整備する「真珠の首飾り」戦略や西太平洋などでの演習定例化、海洋調査船派遣などで米国に対する牽制(けんせい)を強めるだろう。将来的には米国並みの外洋海軍の建設を目指す。
中国は今、軍部の発言力が増しており、今後は周辺外交や安全保障政策に対する影響力が強まるかどうか注視しなくてはならない。
 “独走”の流れを強めているのが、海軍、第二砲兵(戦略ミサイル部隊)、そして戦闘機、爆撃機、巡航ミサイルの開発を軸とする空軍の重視戦略だ。今年にも就役が予想される訓練空母ワリヤーグに加え、2020年ごろまでに国産空母2隻が完成するとみられる。71隻の潜水艦も新旧の交代が進む。将来的には80隻態勢ともいわれる。
しかし、空母保有の主眼は存在感の誇示と艦隊の防空にすぎず、艦載機発艦の技術不足だけでなく、最先端を進む米国の空母運用思想が十分研究されていないなどハード・ソフト両面で限界もみえる。
核兵器の充実も進む。保有核弾頭について250発程度とみられているが、米紙ワシントン・ポストは昨年11月、中国には5千キロメートルのトンネルがあり、3千発の核弾頭が隠されているとの調査結果を紹介。多弾頭化、小型化に向けた研究も進むとみられる。
 「宇宙軍」創設に向けた研究も加速。宇宙ステーションからの相手国の軍事衛星への攻撃を含む構想だが、有事の際は空軍の戦闘機が衛星を利用して攻撃するなど「空天一体化」戦術の完成に向けて研究。空母キラーとされる対艦弾道ミサイル「東風21D」の精密誘導も担うとみられる軍事偵察衛星「遙感」の打ち上げも頻繁になるだろう。
中国軍は5年前の時点で「南シナ海、インド洋、西太平洋での作戦能力、米軍に対する抑止力の確保が力点」(幹部)としており、その目標達成に向けた攻撃力の向上に今後も邁進(まいしん)するとみられる。中国の拡張的な軍備増強や外洋進出は、局地レベルでの偶発的な軍事衝突に発展する可能性もはらむ

オバマ大統領が昨年11月、アジア太平洋地域に軸足を移し安全保障上の最重点地域とする方針を発表したことで、米軍は今年、「中東、北朝鮮の二正面での紛争に同時対処する戦略から、中国を囲い込む一正面への大転換」(川上高司拓殖大教授)に踏み出す。
昨年策定した海空軍一体運用構想「エアシーバトル(空海戦闘)」について、今年前半から同盟国への説明を開始し、対艦弾道ミサイルなど米軍の接近を阻止する中国の能力にどう対抗するか、役割分担を協議する。同盟国以外との軍事交流も増やすもようだ。
豪州北部ダーウィンには今年半ば、米海兵隊の第一陣、1個中隊が駐留開始。米ノースカロライナ州の第2海兵遠征軍傘下の部隊から派遣される見通しだ。2016年までに2500人に拡充するが、緊急時に単独で行動できる海兵遠征部隊(MEU)として編成されるかが焦点となる。
前方展開拠点では、原子力潜水艦や戦略爆撃機が派遣される英領ディエゴガルシアやグアムの重要性が高まる。シンガポーへの沿海域戦闘艦の展開や、インド洋ココス諸島の豪州軍施設の共同使用も具体化を進める。ただ、グアムのインフラ整備の一部は普天間飛行場移設と連動しており、日本の対応次第で影響を受ける。
また、米国防費削減が影を落とす。決定済みの10年間4500億ドル(約35兆円)分は、アフガニスタンや欧州の態勢縮小で吸収するとみられるが、議会の協議決裂で強制的に上積みされた13年からの同6千億ドルの削減が実行されれば、アジア太平洋での態勢縮小も避けられない。

韓国は、済州島の南西約150キロの暗礁「離於(イオ)島」(中国名・蘇岩礁)の領有権を中国と争い、済州島には2014年の完成を目指し、大型艦20隻などが係留できる軍民共用港を建設中だ。中国の海洋進出や北朝鮮の動向もにらんで海上戦力も強化。07年には東アジア最大の強襲揚陸艦「独島」が就役。10年には第7機動戦団が発足し、今年3月にはイージス艦3隻、駆逐艦6隻態勢となる。潜水艦部隊も18年までに18隻に増強する。
西沙(英語名・パラセル)諸島の領有権をめぐり過去中国と軍事衝突したベトナムは、南シナ海の安保が国家発展に不可欠とする海洋戦略を掲げ、カムラン湾に米露の艦船を寄港させて中国ににらみをきかす。
装備はロシア製が中心で09年に潜水艦部隊創設に向け、キロ級潜水艦6隻の購入契約をロシアと締結。14年から毎年1隻が納入される。フリゲート艦2隻を11年に導入、コルベット艦も07年から増強中だ。昨年にはインドから超音速対艦ミサイルを購入。航空戦力も、第4世代の制空戦闘機スホイ27、多用途戦闘機スホイ30の増強を続けている。
フィリピンは、米軍基地撤退後の1994年末、南沙(同・スプラトリー)諸島ミスチーフ礁の実効支配を中国に奪われた。昨年南シナ海の呼称を「西フィリピン海」に変更するなど中国の覇権拡大に対抗姿勢を示すが、主要艦艇は第2次大戦期の米国製フリゲート艦1隻のみ。米国もてこ入れに乗り出し、昨年、米沿岸警備隊を退役した巡視船1隻を売却し、今後3隻に増勢する。
インドはシーレーンの重要海域であるインド洋への中国の進出に、インド沿岸からベトナムを結ぶ「ダイヤのネックレス」戦略で対抗。02年から15年間の海軍近代化計画で、世界第3位の海軍建設を目指す。
計画は、新規空母3隻と原子力潜水艦5隻、通常動力型潜水艦6隻の導入が中心。新空母1番艦は、ロシアから購入して改修中で、13年の就役を予定する。2、3番艦は国産化し14、17年の就役を計画。09年には初の国産戦略原潜が進水し、試験中とみられる。