■屏東の風景

高雄から屏東線で南へ下ると、見渡す限りの椰子畑のなかに竹田駅がある。
e0094583_1234571.jpg駅というより停車場といった方が相応しい。
乗降客も数えるほどで、時間が停まったような静寂の中にある。
1919年(大正8)竣工、既に八十有余年の歴史を有し、台湾でもこのような日本統治時代に建てられた木造駅舎は少なくなった。
台湾鉄道当局は、この古い木造建築を取り壊し、新しい駅舎にする事業計画を立てたが、地元の強い反対にあって古い駅舎をそのまま残した。
閑静なたたずまいの中で、その駅舎をカメラに収めていると、遠くから踏切の音が聞えてきた。
次の列車でこの駅に降り立つのは、果たして何人であろうか。


竹田というまちは、客家の集落だ。
客家についての詳細は省くが、悠久の歴史の中で遥か中原の地から流民として南方、或いは海外に移住していった集団である。
落ち着く先では常に新参者として差別された。それ故、強い連帯意識と、誇り高い文化意識を有し、特に子弟の教育に力を注ぐ。

客家は全世界にネットワークを持っている。
中国の故鄧小平国家主席、台湾の李登輝元総統、シンガポールのリークアンユウ元首相も客家出身である。
今回、このまちの客家出身で、長年屏東県の高等学校において教鞭をとられたお二人の先生と屏東、竹田、枋寮、懇丁、そして台湾最南端のガランビまでご一緒した。
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途中、屏東と枋寮で高等学校の日本語クラスを参観し、いくつかの質問に答える機会を得た。
私の突然の訪問は、学生からすれば、「日本人がやってきた!」、といった好奇心の対象だが、学習歴一年未満のレベルなので普通に日本語で話しても理解力に乏しい。
開口一番、国語(北京語)で話しかけると、「お~っ!」という驚きの声があがった。
私は日本語と中国語の違いはあれ、外国語学習者としては彼らの大先輩だ。どうすれば上達するか、について私なりの考え、方法を教えることとなった。

台湾南部の高等学校では、このように履修科目に日本語を設置している所がかなりある。残念ながら、現時点では内容的にまだまだ充実していないが。
私は、一人でも多くの学生が日本語に興味をもってくれることを願って学校をあとにした。

私は今、台湾南部の広大な椰子畑の中に居る。
むせるほどの緑葉に囲まれて。
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by officemei | 2009-08-04 23:39 | ■台灣