■ 孫子兵法

e0094583_7364532.gif防衛大学校教授・村井友秀 琉球めぐる心理戦は孫子の兵法;(2013.6.18産経新聞より)
國防大學教授・村井友秀 中國圍繞琉球的心理戰系出自孫子兵法;

現在の中国はもはや、貧農とプロレタリアートによる世界革命を目指す共産主義国家ではない。19世紀以前に世界的超大国であった中華帝国の再現を目指す過激な民族主義国家である。
現在的中國已早已不是貧窮國家,也不是由無產階級領導的以實現共產主義為目標的國家了。而是想以再次成為19世紀以前的那個世界超級大國-中華帝國為目標的民族激進主義國家。

「中国共産党の『中国』とは国土が最大であった1840年頃の清朝の中国である」(英国のアジア専門家、フランシス・ワトソン氏)といわれている。国家主席の習近平氏はこの2月25日、「中華民族は近代以降、列強から度重なる侮辱を受けた。中華民族の偉大な復興を実現することは中華民族の最も偉大な夢である。我々は現在、歴史上の如何なる時期よりもこの夢を実現する自信があり、能力がある」と述べている。
“中國共產黨口中所說的‘中國’是1840年代版圖最大時期的清朝的中國”(英國亞洲研究專家,弗朗西斯・沃森)。國家主席習近平2月25日說,“近代以來,中華民族屢次遭受來自列強的屈辱。實現中華民族的偉大復興是中華民族最偉大的夢想。我們現在比歷史上的任何時期更有自信、更有能力實現這個夢想。”

民族主義的な中国指導者が対外戦略を考えるとき、思い浮かべる教科書はマルクスではなく中国の戦略家であろう。中国知識人の常識の「孫子兵法」には、「兵力が敵の十倍あれば敵を囲むだけで敵は屈服する。兵力が敵の五倍あれば躊躇なく攻めよ。兵力が敵の二倍ならば敵を分裂させよ。兵力が敵よりも少なければ逃げて戦いを避けよ」(謀攻篇)とある。
中國領導人在考慮對外戰略的時候,腦中浮現出來的指導政策(教科書)不是馬克思,而是中國本土的戰略家。對於中國知識份子來說屬於常識的《孫子兵法》中有說道,“兵力是敵人十倍的時候,只要包圍敵人就能使之屈服。兵力是敵人五倍的時候就別猶豫,進攻吧。如果兵力是敵人兩倍,就要分散敵軍力量。兵力比敵人少的話走為上策”(謀攻篇)。

現代の中国も、兵力が少なかった時期には問題を棚上げして戦いを避けた。21世紀に入り、中国の軍事費は日本の防衛予算を追い越した。中国は日本が保有していない空母、原子力潜水艦、長距離ミサイルや核兵器を持つ。中国が軍事力で日本より優位に立ったと考えても不思議ではない。現在、中国は「日本は現実を直視すべきである。釣魚島はすでに日本の一方的支配から中日双方の共同管理に転換しつつある」(共産党機関紙人民日報系の国際情報紙、環球時報=5月3日付)と唱えている。
如今的中國也是這樣,軍力不足就擱置問題,避免戰爭。進入21世紀以後,中國的軍費超過了日本的國防預算。中國有日本沒有的航母、核動力潛艇、遠程導彈和核武器。中國軍力相比日本佔有優勢不足為奇了。現在,中方聲明說“日本應該正視現實。釣魚島已經由日方一方控制慢慢轉變為中日雙方共同管理了”(共產黨機關報刊人民日報轄的國際情報報紙-環球時報=5月3日)

しかし、日米同盟の存在と自衛隊の能力を勘案すれば、現在の日中の軍事バランスが中国側に圧倒的に有利だという自信を中国の指導者は持てないであろう。優位に立っていると判断した場合でも、孫子が言う10倍や5倍の優位ではなく、せいぜい2倍程度の優位であろう。2倍程度の優位だと中国の指導者が認識していれば、中国が採る対日戦略は日本を分裂させることである。日本を軍事力で圧倒する道筋が見えない場合、対日戦略の中心は日本の世論を分裂させる心理戦・世論戦になる。
但是,要是考慮一下日美同盟的存在和自衛隊的作戰能力的話,中國領導人就沒了中國在中日軍事平衡中具有壓倒性的優勢的那種自信。認為處於優勢地位,即使沒有孫子所說的10倍、5倍的優勢,怎麼也有2倍的程度吧。如果中國領導人認識到中國相對日本有2倍的優勢,採取的對日戰略就是分裂日本。看不到對日壓倒性的軍事優勢,對日戰略的中心就會變成分化日本輿論的心理戰、輿論戰。

中国が期待する日本世論分断のポイントは沖縄だ。3月16日、「日本は琉球の宗主国、清朝政府の同意を得ずに琉球を併呑し、現在でも日本は沖縄に対する合法的主権を有していない」(中国誌、世界知識)との論文が雑誌に掲載され、5月8日付人民日報は「琉球王国は明、清王朝の時代には中国の属国であり、日清戦争後の下関条約で台湾と釣魚島、澎湖諸島、琉球が日本に奪われた。歴史的に未解決な琉球問題を再び議論できるときが来た」と主張した。
中國期待的分化日本輿論的切入點就是沖繩。3月16日,(中國雜誌,世界知識)刊登了這一則論文“日本在沒有得到琉球的宗主國清朝的同意的情況的情況下將其吞併,就是現在日本也沒有對沖繩的合法主權”,5月8日的人民日報主張說“琉球王國明清時期就是中國的附屬國,甲午戰爭後簽訂了馬關條約,台灣、釣魚島、澎湖列島和琉球被日本奪走。歷史上還未解決的琉球問題再次被議論的時刻到來了”。

中国が沖縄を標的に心理戦を展開するのは、米軍基地をめぐる様々(さまざま)な問題で日本政府と沖縄県の対立が深まっているという中国側の認識による。中国中央テレビは5月4日、「日本政府の政策に沖縄県民が憤り、沖縄の独立を求める声が大きくなっている」と報じた。「06年3月4日、琉球全市民による住民投票が行われた結果、琉球市民の75%が日本からの独立を望み、25%が自治の拡大を求めていることが明らかになった」(10年9月19日の中国ネットニュース、環球網)との記事が広く引用されるようになってもいる。
中國以沖繩為靶子展開心理戰是因為中國認識到在圍繞美軍基地的諸多問題上,日本政府和沖繩縣的對立逐步加深。中國中央電視臺5月4日報導說“沖繩縣民對日本政府的政策感到憤怒,要求沖繩獨立的呼聲在增大”。“06年3月4日,琉球所有市民參與的公投結果顯示,75%的琉球市民渴望從日本獨立出去,25%的人要求擴大自治大範圍”(10年9月19日的中國網上新聞、環球網)這一報導被廣泛引用。

この記事は全く事実に反しており、中国国内でも疑問視する声がある。香港誌は「琉球で独立を問う住民投票が行われたことはなく、この資料は一部の琉球独立運動家が捏造したものである。また、独立を主張する者の多くは独立を口実に日本政府と駆け引きをして利益を得たいと考えている者で、本当に独立を望んでいる者は少数である」(亜洲週刊13年第20期)との見方を示している。
這一報導完全違背事實,即使在中國國內也存在質疑之聲。香港雜誌展示了這樣的看法“在琉球,根本沒有進行調查獨立問題的公投運動,這一資料是由部份琉球獨立運動家捏造的。主張獨立的人大多數是想著以獨立為藉口伺機得利,真正希望獨立的人是少數”(亞洲週刊13年20期)

事実に反する記事を引用する中国の研究者やジャーナリズムは沖縄をめぐる問題に無知なのではない。彼らは事実関係を承知している。だが、彼らの任務は真実の追究にではなく、共産党の政策のバックアップにある。「孫子兵法」には戦いの真髄(しんずい)は騙(だま)し合いである(兵詭道也)と書いてある。あらゆる手段を講じて敵の弱点を突くのは兵法の常道である。中国には「日本の反中国行動を抑制するためには、沖縄で『琉球国』独立運動を育成することが効果的である」(5月11日付の環球時報)という意見が根強く存在する。
引用與事實相反的報導的中國研究者還有新聞界們不是不知道沖繩的相關問題。他們知道事實關係。但是,他們的任務不是追究真相,而是為共產黨的政策提供理論來源。《孫子兵法》是講述作戰的精髓是互相迷惑對方的書。尋求所有的手段攻擊敵人的弱點是兵法的常用之道。中國對於“爲了抑制日本的反中國行動,促使沖繩‘琉球國’獨立運動就有此效果”(5月11日的環球時報)這樣的看法是有根深蒂固的理由的。

ただし、今回の人民日報の記事に対しては沖縄でも、「尖閣問題で日本政府が妥協しなければ、琉球に問題を拡大するというメッセージであり、中国の戦術だ」(5月10日付沖縄タイムズ)という見方が有力である。9割の県民が中国には良くない印象を持っている(沖縄県公式ホームページ)沖縄で、中国の心理戦・世論戦が成功する可能性は高くない。日本人が一致団結し、勇気をもって脅しに屈しなければ、中国の心理戦が日本に入り込む余地はない。
然而,面對這次人民日報的報導,即使是沖繩,堅定地持有這一看法“在尖閣諸島問題上如果不向日本政府妥協,擴大琉球問題的這一消息是中國的戰術”(5月10日沖繩時報)。在9成縣民對中國沒有好印象(沖繩縣正式主頁)的沖繩縣,認為中國的心理戰、輿論戰成功的可能性不高。只要日本人團結一致,拿出勇氣,不畏強暴,中國的心理戰術在日本根本無立足之地。
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