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■新台湾人は「早い・安い・オイシイ」が好き

食は多彩、食文化は破壊!?
本文は、トラベルジャーナル「台湾・タイワニーズは前身あるのみ」の掲載文から抜粋させていただきました。暮らしが見える、旅が変わる、というキャッチフレーズのこの本は、従来からある旅行ガイドブックのようなうわべだけの情報ではなく、生活や文化に触れる読み応えのある秀作です。ぜひご購入の上、ご覧下さい。

戦後、国民党軍が(台湾へ)やってきた時、連れてきた素晴らしい人たち。それは、大陸各地方の名コックであった。
おかげで、一気に「食在台湾」となった。台湾料理はもちろんのこと、北京料理、四川料理、広東料理、上海料理、海鮮料理、精進料理「素菜」、薬膳料理、そして日本風料理などなど、各々が味を競い合う食のワンダーランドと化した。
コックたちの切磋琢磨の果てに、ワールドワイドな地位を獲得したレストランも多い。北京ダックの「天厨」、四川料理の「国賓大飯店川菜庁」は、台北随一との評判だし、台湾料理の「欣葉」や「青葉」は、台湾家庭料理の有名店である。
「台南担子麺」の担子麺を、台湾リピーターならもう一度食べたいと頭に浮かべる人も多いだろう。また、飲茶の「鼎泰豊」は、東京に海外初の支店を出したりと、ますますご発展の様子。
ところが、ここ10年余りで、台北を中心とする外食産業に大異変が起きている。従来の中華系に加えて、欧米系が続々と出現。ピザにはじまり、うどんっぽいパスタが売り(!)のイタメシ屋さんとか、タコスを
出す店なんかも登場。タイ料理は結構人気みたいだし、トルコ料理といったマニアックなエスニック系レストランも現れた。
もちろんとっくに、マクドナルドなどのファーストフードはチビちゃんらのお誕生会会場御用達となっているし、中高校生がカラオケボックスへ持ち込むスナックとして定着している。またサンドイッチや特大マフィンにありつけるコーヒーチェーン店も盛況。
ナイトライフとしては、いわゆるカフェバーがオシャレらしく、チップ&バーガー的な軽食も、若年層を中心に一般的になりつつある。
また、数年前の「養老乃瀧」の進出をきっかけに、居酒屋ブームに火がついた。行列ができるほどの大ブレイク期を過ぎ、今では台北の風景に当然のごとく溶け込んでいる。「養老乃瀧」の人気は若干ダウンしているらしいが、「白木屋」も健闘中だ。
居酒屋はメニューの種類が多く、小皿でちょこちょこと日本食を食べるというのが、台湾人の嗜好に合致したようだ。しかもメニューが写真で何となく想像できるから、オーダーしやすいのも勝因と思われる。
そして、日本料理といえばサシミ。サシミと言えばマグロ。ワサビてんてこ盛りの醤油にどっぷりつけるマグロのサシミは、ヘルシー&オイシイと、老若男女を問わず大好物の一つとなった。
夜市にしても、地元民から内外の観光客までと不動の地位を保つ。
タッタと軽快に作るその姿を視界に入れつつ、おいしそうな匂いに包まれれば、誰だってニンマリ、お腹が空いている気にもなる。
また、デパートの地下街なども夜市同様、ちょいと小腹を満たすための一大エリアとなっている。
とにかく、最低限のポケットマネーさえあれば台湾で「飢え死に」という現象は絶対に起こり得ない。
そもそも台湾人は「ご飯食べた?」というのが日常的な挨拶の上、外食文化を持つ人たちだ。
さらに経済力はばっちりとなれば、もうどうにも止まらない。最近の「何でも24時間営業ブーム」に便乗して、24時間営業のレストランや、飲茶店なんかも登場というわけで、今や街全体が不夜城の食べ物横丁状態となった.。
時代は「自助餐」へ
1990年代前半に、台湾の飽食時代が幕を開けた。
街中の多くのレストランが「自助餐」と呼ばれるバイキング形式への転換を図ったのだ。
これが、会社帰りのビジネスマンやOLたちに大ブレイク。
一流ホテルでもない限り、夕食のバイキングにしても200~400元だから高くない。店によっては、子供がフリーチャージか半額だったりするから「子連れ狼」も目立つ。
大型の食べ放題専門レストラン「海覇王」はそこに目を付け、ファミリー層を狙って住宅地を中心に大規模なチェーン展開を図った。この元祖バイキング王は、かつてほどの勢いはないが今なお健在だ。
こういったバイキングの料理内容がすごい。台湾料理をはじめとする、青椒肉絲みたいな中華料理系はもちろんだけど、クリーム煮みたいな西洋風系オカズ、鉄板焼きのコーナー、飲茶、麺類あり、スープ類、そして日本料理もどき。もちろんサシミも。それからサラダバー、パスタ、パン、シリアル類、山盛りのフルーツ、ジュース、中国式デザート、西洋式デザート、アイスクリームなどなど。つまり毎回、食を制覇した気分に浸れる。
その食べ方がまたすごい。日本人のように「ビールをまあ一杯」とチビリチビリやりながら食べる人など、台湾ではごく少数派。
いちおう最近は、「台湾ビール」が販売に積極的だし、数年前からは世界的なワインブームにともない、ワインも店に置かれている
とはいえ、基本は男性であれ女性であれ、バイキングに含まれるウーロン茶や甘いジュースで、ひたすら食べまくることに専念している。

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by officemei | 2006-01-12 00:00 | ■台灣