■斉の田横について

e0094583_8115922.jpg私はこの一年、4度山東半島を訪れている。
唐突だが、「香乱記」という中国歴史小説について記しておきたい。
始皇帝没後、秦に大規模な叛乱が勃発。
群雄割拠の中、最後は項羽を下した劉邦が漢王朝を興す。
その楚漢戦争前後の時代に一人異彩を放った英雄がいた。
その名を田横という。
田横がどのように生きたかは「史記・田儋列伝」に簡便に記載されているが、彼の不屈の精神に浪漫的な香りを添えた物語が宮城谷昌光の「香乱記」だ。
私は宮城谷作品の愛読者で、春秋五覇・戦国七雄の地を訪れるときには、いつも彼の描く歴史ロマンに思いを馳せて、まちや山河や草木を見て歩くのが楽しみになっている。
特に「太公望」と「管仲」、そしてこの「香乱記」の舞台は斉の国(現山東省)だ。

春秋時代の斉王は呂姓(又は姜姓)で、周の軍師・太公望呂尚を始祖とする。
渭水で釣りをしていた呂尚と周の文王が出会い、「これぞわが太公(祖父)が待ち望んでいた人物」と召し抱えたエピソードは有名だ。
この故事にちなみ、釣り好きを「太公望」と呼ぶ。
明代の「封神演義」に姜子牙という名前で登場するのもこの呂尚。

下って春秋五覇の最初の覇者・斉の桓公(姜小白)は、この太公望呂尚の後裔で、「管鮑の交わり」で有名な管仲を宰相に就け、実力を失いつつあった周王朝に代わって会盟を執り行った。

諸侯の有力者が争う覇者の時代のさきがけとなった人物で、当時、斉の国都・臨淄(現淄博)は中原最盛況のまちであった。

更に下って、戦国時代の斉王は下克上により呂姓(又は姜姓)から田姓の君王に移る。
冒頭に紹介した「香乱記」の田横はその末裔になる。

漢の高祖劉邦のようなタイプはどうも好きになれない。
西楚覇王の項羽も残忍さと狭量さが目立って嫌だ。
その点、田横の放つオーラは一服の清涼剤だ。
詳しくは「香乱記」を購読してください。

さて、その主人公田横に縁のある島を紹介しておこう。
http://www.jimo.gov.cn/lygw/ly_thd.htm
http://www.sdta.cn/xuanchuan/whsd/rjdl/tianheng.html

今週11日から15日まで威海・煙台・青島に赴くが、もし時間が許せば訪れてみたいところだが。
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by officemei | 2006-05-07 22:37 | ■山東