ネット規制巧妙化 (jp)

e0094583_22592.gif産経新聞2006/07/25
中国が国家プロジェクトとして進めているネット規制システム「金盾」をバージョンアップし、パソコン別検閲が可能となるなど、より巧妙化している。




中国ではこの春から初夏にかけてMSN、hotmailやグーグル、国内大手検索サーチエンジンの新浪、捜狐などが相次いでアクセス障害やサービス停止になっていた。関係者は、これをネットを規制するという政策のために必要なバージョンアップ作業、検閲対象用語の増加のためとしていた。

しかし、金盾プロジェクトの技術関係者によれば、今回のバージョンアップは単なる検閲対象ワードの増加だけでなく、システム自体が進化したという。これまでは検閲対象用語をもとに、サイトへ一律に接続遮断を行っていたが、今後はパソコンのIPアドレス(ネット上の識別番号)ごとに、アクセス履歴を解析、そのユーザーの政治的傾向を分析した上で接続の可否を判断していくという。

たとえば娯楽サイトしかアクセスしていないパソコンが、「人権」という用語で検索したり、人権サイトにアクセスしたりしても問題ないが、チベットやウイグル族関連のサイトにアクセスし続けたあとに接続しようとすると、遮断される仕組みになるという。

これだと、同じサイトでも接続できる人と接続できない人が出て、特定の用語やサイトがアクセス禁止の対象となった印象を与えにくい。遮断された方も接続できないのはネット規制によるものではなく、自分のパソコンやサーバーの調子が悪いためだと納得してしまいがちだ。ユーザーに検閲されていると気づかせないように、巧妙にネット規制を実施するのが狙いだ。

こういった当局のネット規制の巧妙化の背景には、規制が厳しくなるほど、その対抗システムが発達するという状況がある。たとえば、北京のソフト会社が03年に発表したプロキシ機能を持つ中国製フリーウエアブラウザ「傲游(Maxthon)」は本来、過剰なネット広告のフィルタリング機能が売りだった。

が、同ブラウザを使えば、当局が行うネット規制が回避できることがわかり、それが人気を呼んだとみられ、「中国国内で約3600万回(全世界では6000万回以上)もダウンロードされ、少なくとも中国のネットユーザーの17%以上が利用している」(傲游広報)という。

中国インターネット情報センターによれば6月末までに、中国のネット人口は1億2300万人に達し、ネット普及率は9.4%。半年前1500万人だったブロガーは2800万人となり、一大情報発信源となっている。
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