■楓葉染紅

南国台湾をあとにして、11月の雨の降る夜、長岡京にやってきた。
浄土門根元地・光明寺
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時計は20:00を指している。
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11月の夜の雨、境内の楓樹はライトアップされて、まさしく幽玄の世界。
「月影のいたらぬ里はなけれども、ながむる人のこころにぞすむ」

御影堂から声明が聞こえてくる。大人数の僧侶による読経。

声明の響きと雨音。これぞ静謐・・・
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読売新聞・夕景時評から。
・・・京都の紅葉が盛りを迎えている。そこの禅寺でしばらく過ごしたことがあった。
大量の落ち葉が降り注ぐこの時期、毎朝の庭掃除は大変でもあり、また楽しい作務でもあった。
竹箒の手を止めて、緑の苔の上に落ちているカエデの一葉を手に取ると、そこには艶やかな朱色と、まだ明るい緑の部分が美しく混在している。
小さな葉そのものが一幅の絵であり、秋を閉じ込めたミクロコスモスであった。
茶室や坪庭のデザインなど、隅々にまで細かく気を配る京都文化の原点が感じられた。

対照的な紅葉に出会ったのは北海道だった。赤、黄、褐色、そして針葉樹の深緑が織りなす点描画は、広大な山岳や平原を彩り、圧倒的なスケールで眼前に現れた。あくまでも青い空に向かって満艦飾を解き放つ。

京都の紅葉には、とてもこの迫力はないと感動した。
ところが、近くに寄ってその葉を一枚ずつ点検すると、しわがれていたり、発色が悪かったり、とても美しいとは言いがたい。

おおらかな北海道と、きめ細かい京都。
生活文化の違いは、こうした風土に負うものが少なくないと感ずる。

紅葉前線は約50日かけて日本列島を縦断する。
今年旭川市内のヤマモミジの紅葉観測は10月26日だった。あと半月かけて、前線は列島を南下する。

「紅葉をめでる習慣は中国などにもありますが、紅葉前線の動きに一喜一憂するような文化は、世界中でも日本にしかありません」(辻井達一・北大名誉教授)。
温暖化傾向のため紅葉時期は半世紀で約15日遅くなり、発色も劣化しているというが、やはりこの国の四季には感謝したい・・・


10月末に上海を経ち、台湾に「帰った」。
そして夜の京都でライトアップされた紅葉を観賞。、

さて、蘇州にも紅葉を愛でる季節がやってきた。
もうすぐ冬が来る・・・
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by officemei | 2006-11-20 19:26 | ■日本