■台湾新幹線開業一周年

日本の新幹線技術を海外で初採用した台湾高速鉄道(台湾新幹線)が開業し、5日で1周年を迎えた。

昨年末までの累積乗客数は1555万人に達するなど、台湾西部全域で「1日生活圏」を実現した高速鉄道は人の流れを変え、台湾の交通地図を大きく塗り替え始めた。

台北-高雄間(345キロ)を最短90分で結ぶ高速鉄道は、三井物産や川崎重工業など7社の日本企業連合が基幹部分を請け負い、車両は東海道・山陽新幹線の700系のぞみをベースにした12両編成を導入。営業は延期に次ぐ延期となり、安全面で不安を残したまま開業を迎えたが、昨年11月からは自由席も導入され、平均利用者は1日約4万3000人にまで増えた。

運転本数も増え続けており、19往復にとどまった開業当初に対し、今月18日のダイヤ改正では週末が1日60往復に増便される。事業主体となる台湾高速鉄路によると、帰省客が急増する2月の春節(旧正月)連休中は、最大63往復にまで輸送力を強化するという。

事業計画の88往復を大幅に下回っており、なお多くの課題を残しているが、当局は昨年11月、駅周辺に研究機関などを誘致する新たな開発コンセプトを発表。存在感を増す高速鉄道は、低迷する地域経済の活性化を促しそうだ。一方、高速鉄道の開通で航空4社が運行するローカル便の利用率がほぼ半減。長距離バスも巻き込み、競合各社の間で生存競争が激化している。


2007/01/05
台湾新幹線:システム混在でトラブル…開業後も不安の声
e0094583_2132733.jpg日本の新幹線技術の初の海外輸出となった台湾高速鉄道(台湾新幹線)は5日、開業にこぎつけたが、建設中から日本と欧州のシステムの「混在」によるトラブルが相次いだことから、開業後も安全面での不安を指摘する声がくすぶっている。

台湾新幹線を巡っては三井物産、三菱重工業、東芝などの日本企業連合と独シーメンス社、仏アールストン社など欧州企業連合が受注競争を展開。97年に欧州側が契約を結んだが、99年に日本企業連合が逆転受注に成功。この経緯が「車両は日本、ポイントはドイツ、通信はフランス」と各国の運行・制御システムが混在する原因となった。

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「日台経済協力の象徴」とされ、総工費約4800億台湾ドル(約1兆7000万円)の大型事業だが、台湾では「開業の遅れは日本側の非協力的な態度が原因」との批判が出た。一方、日本側関係者には「新幹線とは別の乗り物。『新幹線』と呼んでほしくない」という声もある。

e0094583_21341266.jpg台湾北部の桃園駅にある管制センターでは日本、ドイツ、米国などのスタッフが運行を管理している。台湾人運転士の養成不足から、日本の新幹線やフランスの高速鉄道(TGV)の運行経験がある外国人運転士に頼っているのが現状。

台湾のTVBSテレビの世論調査によると、74%が運行や安全性に「不安が残る」と答え、「不安はない」はわずか21%だった。消費者団体は安全性が確保されるまで乗車を控えるよう市民に呼びかけている。(毎日新聞 2007年1月5日)
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by officemei | 2008-01-07 05:15 | ■台灣