■君子危うきに近寄らず!

最近公表された報告書によると、毛沢東時代に根絶されたとされる梅毒が、売春、大都市への人口集中、および粗悪な健康管理により中国国内で再び猛威をふるい始めた。

1993年に中国での梅毒の有病率は人口10万人当たり0.2だった。2005年には10万人当たり5.7に急増したが、中国の伝染病学者がまとめた報告書によると、この数字はかなり控えめであるという。

梅毒を母体から胎盤を通して感染した新生児の数も同様に急増している。先天性梅毒は1991年には新生児10万人あたり0.01しか見られなかった、2005年には年率実に72%近くの増加となる19.68となった。

報告書は、「中国各地からの調査資料と詳しい報告書が、高リスク・グループ内でも一般市民の間でも、梅毒の広がりを如実に証明している」と訴えている。
「中国での梅毒は徐々に拡大し、事の重大性が注目されたのはごく最近のこと」と、同報告書は指摘する。

この報告書は、中国国立性感染症管理センター(National Centre for STD(Sexually Transmitted Diseases)Control)の専門家が12日に英国の医療雑誌「ランセット(Lancet)」に投稿したもの。

梅毒は、細菌によって引き起こされる性感染症。梅毒トレポネーマと呼ばれる病原体は抗生物質の投与によって治療される。治療がされない場合、性器にかいようが発症し、やがて心臓血管、神経系、脳に障害が拡大するほか、受精率に影響をおよぼし、胎児も感染する。

■中国共産党の売春宿閉鎖が権威主義の実践に
1949年に中国共産党が政権を掌握したころ、同国の梅毒感染者数は歴史的にも最大規模となっていた。大都市圏では20人に1人が、農村部でも2から3パーセントが梅毒を病んでいた。

中国共産党は1952年に、梅毒トレポネーマの集団検診を進める空前規模の運動を行い、無料の治療を施す一方、売春宿を閉鎖した。1960年代までに、梅毒は実質上に中国から姿を消し、この活動は権威主義の実践にまでなった。

報告書によると、この運動の成功こそが皮肉にも、1990年代に経済を開放し現在まだ社会的大変動が続く中国の国民にたいする危険性を高めているという。

梅毒が国内から20年ほど姿を消していた影響で、若年で性的に活動的な一般市民は、「非常に感染しやすい」と同報告書は指摘する。感染の拡大は主に、労働者の都市部への流入によって急速に拡大してきた性産業によるところが大きい。

性行為の若年層化の広がり、婚前の性行為パートナーの増加など性的文化の変化やコンドームの使用率の低さなども指摘されている。

梅毒の有病率は経済成長の著しい東海岸で非常に高く、上海では10万人当たり55.3に上るほか、東海岸の浙江省では35.9、福建省で26.8となっている。

北京は10万人当たり24.9で、広州、香港、マカオを結ぶ珠江デルタ地帯3州の14から21が続く。

近年、諸外国も高リスク・グループでの梅毒の復活の兆しを報告しているが、中国が公式に示す数値は多くの先進国に比べかなり高いものとなっている。2004年の米国の10万人当たり2.7に比べると、中国の数値は2倍に相当する。

この報告書は、国内の26か所に設けられた政府の性感染症「監視施設」から上がる入院患者の詳細がもとの資料としていることを示した上で、予想以上に悪いかもしれない現実を危ぐする。

多くの患者が、家族計画支援団体、婦人科診療所や一般診療所、および個人開業医や薬局などで治療を受けているが、その多くは報告に反映されていないという。

加えて、中国では医療の民営化が進んだことで、低所得者層は梅毒の検査や治療を受けられないという。。(AFP)

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