■義烏

e0094583_18305471.jpgかつての偽物天国
中国浙江省義烏市は農村に囲まれた地方都市だが、世界212カ国・地域に日用雑貨を輸出する卸売市場の街として有名だ。かつては偽物市場として悪名高かったが、今では率先して知的財産権の保護活動を推進する。しかし、有名ブランドのロゴを改造したマーク付きの商品は今も横行し、完全な偽物追放には至らないようだ。

人口約70万人の義烏市中心にある巨大卸売市場「国際商貿城」。4階建ての5棟からなる建物の中は、工芸品、装飾品、靴下、金属製品、電気製品、玩具などの日用品問屋が所狭しと並ぶ。商品を入れた黒いゴミ袋を引きずりながら歩く外国人の姿も見られる。

総建築面積34万平方メートル、東京ドームの約7倍の広さを持つ国際商貿城は02年にオープンした。義烏市が進める国際化戦略の象徴でもある。

義烏市の雑貨市場は82年、市の近郊に住む農民たちが始めた。その後、移転を繰り返し、規模を拡大。現在は、国際商貿城のほかにも卸売市場が3カ所ある。

06年の統計によると、義烏市から世界212カ国・地域に約40万種類の商品を輸出。市内には100以上の国・地域から来た約8000人の外商が常駐している。昨年の日用雑貨の総売上額は300億元(約4500億円)を超え、輸出が6割強を占める。米国、アラブ首長国連邦、ロシアが輸出国トップ3だ。

卸売市場ではかつて、有名ブランドのバッグから歯磨き粉まで偽物を売っていた。しかし、「義烏の卸売市場は世界の日用品市場に影響を及ぼす」(陳艶・同市長補佐)と言われるようになった今、知的財産権の保護にも積極的にならざるを得ないようだ。

昨年8月には、全国規模では初の「知的財産権保護摘発通報センター」を開設した。昨年11月には「商業文明宣言」を発表し、法律の厳守を強調した。また、市民が偽物販売店の情報を当局に提供すると、最高30万元(約450万円)の賞金が得られる制度も05年1月から実施されている。

国際商貿城の管理事務所で働く女性は「特に米国や日本からのイメージが悪くなるので、コピー商品は厳しく取り締まっている」と話した。また、卸売市場の店主たちも「オリジナルブランドを生み出したい」と自主開発の意欲が強い。

しかし、管理事務所の女性は「偽物は多くないが、有名なロゴマークを玩具や食品の袋などに勝手に付けてしまうケースは多い」と明かした。他にも、シャネルの「C」のロゴに似たイヤリングや、ラコステのロゴに似たワニの付いた商品など、ブランド風の「なんちゃって商品」がかなりあると言われる。

日本では商標法違反となる可能性もあるが、義烏市では「法律すれすれで、違法ではない」というのが一般的な認識だという。

データもとに価格指標発表
義烏市は昨年10月から、日用雑貨に関する卸売価格の指標「義烏・中国小商品指数」(通称・義烏指数)の発表を始めた。世界各国の業者と取引が急増する中、市場メカニズムの整備も進んでいるようだ。

市場管理員約120人が、卸売業者など約2400カ所からデータを収集し、生産コストや各国の景気動向などを勘案しながら算定。商務省のホームページや中国中央テレビで毎週1回発表される。

従来は、卸売業者が自分の見聞きした情報に基づいて価格設定していた。価格指標が明確にされたことで、商売がスムーズに進むようになったという。
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by officemei | 2007-01-20 13:40 | ■浙江