■コメの輸出

e0094583_5312210.gif農林水産物の輸出促進のテコになるのだろうか。

日本と中国が、日本産米の輸出再開で合意し、今月半ばにも第一陣のコメが出荷される。
中国は4年前に農産物の検疫制度を見直し、それまで認めていた日本産米の輸入を禁止した。しかし、今年4月の温家宝首相来日の際、関係改善の一環として、日本が害虫駆除を徹底することなどを条件に、容認に転じた。

世界最大のコメ消費国である中国で日本産米が受け入れられれば、画期的な出来事だ。コメは基幹的な農産物だけに、国内農業の将来にとって、明るい材料となろう。
日本は、農林水産品の輸出拡大に力を入れている。2006年に3700億円だった総輸出額を、2013年に1兆円に増やすことを目指している。

昨年のコメの輸出量は約1000トン、金額はわずか4億円だったが、2年前の2倍以上だ。台湾や香港向けが伸びており、中国本土の門戸が開けばさらなる拡大が望める、と関係者は強気だ。

中国では経済発展で沿岸部を中心に所得水準が上がり、価格が多少高くても、おいしい食品への関心が強まっている。例えば水産品では、高級マグロやエビ、アワビなどの輸入が増えている。

問題は、日本産と中国産のコメの大幅な価格差である。中国では一般的なコメの小売価格は1キロ=50~60円程度という。一方、日本では1キロ=300~400円が標準的だ。

輸送費などを考慮すれば、中国本土での価格は、台湾や香港と同じ1キロ=800~1000円程度になるという。

ただ、日本産米の味の良さは中国でも定評がある。農薬が少ないなど、安全性でも注目され始めた。すしなど日本食の人気も高まっている。日本を訪れた中国人観光客の中には、コメを土産として持ち帰る人も少なくないという。

中国のコメ消費量は年間約2億トンだ。シェア1%で200万トン、0・1%でも20万トンとなる。日本の年間生産量850万トンから考えれば相当な量だ。コメが余剰になっている日本から見て、実に魅力的な市場といえよう。

農林水産省は輸出を後押しするため、今月から7月にかけ北京や上海で日本産米の試食会などを開く計画だ。農業団体は駐在員を常駐させ、本格的に市場開拓に乗り出す。

戦後、自動車や家電などメイド・イン・ジャパン製品の輸出では、品質の優秀さと、地道な営業が成果を生んだ。政府や農業団体、輸出業者らが一体となって市場開拓に当たらねばならない。(2007年6月2日  読売新聞)
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by officemei | 2007-06-06 05:32 | ■日本