■盛り塩

e0094583_956435.gif嫌な客が帰った後に塩を撒く、地鎮祭で四隅に塩を撒く、相撲の取組み前に塩を撒く、これすべて“清め”の意味。
塩には古来清浄作用がある。

飲み屋や料亭など客商売でも門前・店頭に“盛り塩”をする。
これも清浄にして客を迎える意味があるのだろうが、もとは“清め”と無関係の典拠によるものだ。

陳舜臣の「中国畸人伝」のなかに竹林の七賢であった王戎の物語がある。
その一節に、晋の武帝・司馬炎のことが書いてある。
武帝は無類の女好きだった。
蜀は既に無く、呉も彼の時代に亡んだ。
晋の都・洛陽に亡国・呉の美女を移し、武帝の後宮は二万人を超えるようになった。

後宮の女たちはそれぞれ館を与えられ、漁色家の武帝は羊車(羊に牽かせた車)に乗って女のもとへ通い、羊車が停まったところで降り、その前の部屋に入ったらしい。

機転の利く女が、寵愛を得るために羊が好んでなめる塩を門前に盛っておいた。
そして羊はかならずその前で停まった。
“盛り塩”の由来はこのエピソードからきているのだそうだ。

今や中国各地にも「日本料理店」や「日式飲み屋」ができているが、十中八九は“盛り塩”がない。
わずかに大連と上海の日本料理店でみかけた。

台北のリトル東京「林森北路」では“盛り塩”のある店を散見したが。

いや待てよ、本家日本でも少なくなっているように感じるなあ・・・
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by officemei | 2009-01-28 00:43 | ■河南