■台北 余白メモ
とりだてて意味のあるものでもないが、記憶に残ったいくつかのシーン。
・永漢書局。
この本屋は邱永漢の経営する日本語図書を扱う書店で、台北居住の日本人には馴染み深い。既に紀伊国屋が東区の「微風広場」にできて久しいが、それ以前からずっと中山北路にあった。そこで明らかに台湾人とわかる老人が目を真っ赤にして日本語の単行本を立ち読みしていた。
・国立台湾師範大学正門
仕事の関係で待ち合わせをここでした。私はずっと以前ここに一時期学び、この近くの龍泉街 に住んだ。先に着いて待っている間、行き交う学生を見ていた。男子学生が学校の塀沿いに並んで駐車しているバイクに近づいた。ヘルメットをかぶり排気ガス用マスクをした帰り支度の女子学生に声をかけ、私の眼の前できつく抱き合いマスク越しにキスをした。笑いあいながらマスクをはずし今度は相当熱いキスをする。保守本流の名門師範大学生も学生気質は本当に変わったものだ。
・台北YMCA
5ヶ月前の訪問時には気づかなかったが、インフォメーション窓口の奥の壁に故何応欽将軍の揮毫扁額があった。
・吉野家のパート公募
時給90元、日本円にして約350円。
・国民党主席、台北市長 馬英九の父君逝去
葬礼服は韓国と同じだが白。日本の黒とは対照的。
・新光三越デパートの細やかな気配り
朝、入り口付近で開店を待っている人たちに、デパートガールが紙コップのお茶をサービスしていた。これがまさにCSだ。
・コンビニ
ビニール袋が要る、と言えばプラス1台湾元で袋をくれる。いや購入するということか。4円くらいで日本のそれよりも厚手で丈夫なビニール袋が手に入ると思えば安いものだが、袋持参ならわざわざ買う必要もない。とにかくこの厚手の袋は重宝する。中国の薄い薄い袋と比較すると長持ち、代用がきく。
・乞食
日本ではとんと見かけなくなったが、台北ではたまに見かける。上海の乞食はもっと多いし、台北のように路上に坐って物乞いするだけじゃなく、まとわりつく。
・補習班
日本なら予備校だが、相変わらずの盛況ぶりだ。大学受験のための予備校は上海では見かけない。学校の先生が放課後有償で補習をやる。有名校の先生は学校外での家庭教師、補習でしこたま稼ぐ。家庭教師代を払える経済力と熾烈な受験戦争、学歴崇拝が背景にある。日本は少子化で中身を深く問わなければ100%大学入学できる時代になった。
・丁寧語
いわゆるサービス業に携わる者の顧客に対する言葉使いは当然ながら丁寧だ。中国に慣れてしまった感覚からは、台湾の言葉に新鮮さすら感じる。
・11月のこの時期でも、北部台湾の気温26度から30度
風邪を引きずって来た私にとっては最良の気温だった。


