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■馬英九総統誕生!

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台湾・総統選の結果、中国国民党の馬英九氏が圧勝し、8年ぶりに政権奪還を果たした。
さて、これから両岸関係はどう推移するのだろうか? このことが私の最後の観察テーマ。

お薦めCM;
台湾向前行;(選挙用CM・秀逸の出来ばえ)



産経新聞の記事より;

台湾政権交代
注目の台湾の総統選挙は中国との関係強化を掲げる野党、中国国民党の馬英九・元台北市長が、台湾生まれの与党、民主進歩党(民進党)の謝長廷・元行政院長(首相)を破り、8年ぶりに政権を奪回することとなった。

戦後の台湾を50年以上支配し、いまも外省人(中国大陸系)が党幹部に多い国民党が政権を奪回することで、台湾は徐々に中国寄りに変わる可能性もある。

中台が接近すれば、東アジア情勢にも大きな影響を与える。李登輝前総統時代から20年近く続いた台湾の親日路線にも微妙な変化をもたらす可能性がある。

台湾の民主主義体制の継続発展を願うと同時に、日本政府には台湾の政権交代で生まれ得る地政学的変化に、政治、外交、経済、安全保障など幅広い観点から十分な備えを行うよう求めたい。

今回の選挙は、2000年の総統選挙で国民党を破り、初の政権交代を実現して以来、2期8年間続いた陳水扁・民進党政権への審判でもあった。

謝氏は選挙直前に起きたチベット騒乱などを追い風に、激しく追い上げたが、及ばなかった。イデオロギーより経済再生を前面に出した馬氏が支持された形だ。馬氏が打ち出した台湾化路線も奏功したようだ。

≪陳・民進党政権に失策≫
民進党の敗因は多い。8年前、民進党は総統を獲得したものの、議会は野党が多数を占め、権力のねじれ現象が続いた結果、政治、経済の混乱を招き、政権の責任が問われたことが大きい。

その過程では、立法院で過半数を獲得するチャンスがあった04年末の立法委員(国会議員)選挙で、党の準備不足から敗北したことも失策だった。今年1月の立法委選挙での大敗もその延長線上にある。民進党内の派閥間の対立が、結束を弱める原因ともなった。友党だった台湾団結連盟との連携、協調にも失敗した。

中国政策や台湾の将来を決める基本政策で、陳総統の路線が左右に揺れたことも選挙民の信頼を失わせる結果となった。前回選挙で効果があった台湾人意識(アイデンティティー)への訴えも、馬氏の台湾化路線もあって、今回はあまり力にならなかった。

従来、民進党支持が多かった20歳代の若年層がイデオロギーに無関心となり、民進党離れが進んだとも指摘された。

選挙直前に勃発(ぼっぱつ)したチベット騒乱は、中国の脅威を指摘してきた民進党にとり、絶好の追い風とみられたが、中国政府の徹底した情報統制もあり、十分に生かしきれなかった。投票2日前になって表明された李前総統の謝氏支持も及ばなかった。

一方、馬氏の勝因は、台北市長時代からの個人的人気に加え、党長老らの反対を押し切って掲げたといわれる台湾主体の台湾化路線が有権者の安心感を誘ったといえる。「台湾を愛する12項目建設」計画や、中国と台湾の「共同市場」構想などが、経済に不満を持つ層に期待を抱かせた。

「統一しない」「独立しない」「武力行使しない」の「3つのノー」政策も馬氏の柔軟路線を印象づけるのに役立ったようだ。

≪国民党の反日には懸念≫
だが、馬氏の今後は決して安泰ではない。馬氏の掲げた台湾化路線は、今後の中国との交渉のなかで、どこまで維持できるか。後退すればたちまち、台湾への裏切りとして住民の反発を招こう。

中台「共同市場」構想も、「中台統一の“一中市場”であり、中国の安い労働力や農産物を台湾に招いて、台湾経済を破滅させる」という謝氏らによる批判をどう克服するか、難問山積だ。

なによりも、台湾の民主化の行方が気になる。馬氏は、民主化時代に進んだ台湾の歴史見直しや正名運動(中国や中華を台湾に変える運動)にも異論を唱えたことがある。国民党内の本土派との主導権争いも表面化しよう。

日台関係にも不安が残る。馬氏は「自分は反日ではない」と強調するが、個人より国民党の体質として残っている反日には懸念を抱かざるを得ない。馬氏はいまも、尖閣諸島は中華民国の領土だと主張する。台湾が尖閣問題で中国と対日共闘するようなことがあれば、日台関係は最悪となろう。

台湾は日本の生命線でもある。その台湾の変化に、従来以上の関心を持ち続けていきたい。 (産経新聞より)
by officemei | 2008-03-23 05:27 | ■台灣